血涙血汗を流す

三品の懺悔というのがありますね。善導大師が教えられたものです。

上品の懺悔とは、身の毛孔のうちより血を流し、眼のうちより血出すをば上品の懺悔と名づく。
中品の懺悔とは、遍身に熱き汗毛孔より出づ、眼のうちより血の流るるをば中品の懺悔と名づく。
下品の懺悔とは、遍身徹り熱く、眼のうちより涙出づるをば下品の懺悔と名づく。(往生礼讃)

これは、罪悪に対する懺悔というよりも、今まで長きにわたって阿弥陀仏を信じなかったことへの懺悔という意味で、阿弥陀仏のお慈悲が徹底すると三品の懺悔と等しい懺悔をさせられるというのが親鸞聖人のみ教えです。

私は血涙血汗というのは形容詞なのだろうと思っていました。しかし、これは形容詞ではなく実際にあることなのですね。

私の息子が少々虫歯になりまして、昨日治療を行いました。まだ2歳10ヵ月ということもあり、麻酔は使えないということで、それは大変なことになりました。タオルで息子を縛ってそれでも暴れるので3人で抑えたうえで治療をしたとのことです。

私はその場にいなかったのですが、電話で様子を聞くと「すごく泣いて…血が出た」というので、歯肉から血が出たのかと思っていたのですが、帰ってよく聞いたら、実際は血涙と血汗が出た、ということなのです。

夜でも目の周りは真っ赤でしたし、肩にも血汗を出したときに赤くなったと思われる跡が残っていました。玉のような汗が出て服はびっしょりになったようで、本当に恐怖だったのだと思います。話を聞いただけで、こちらも涙が出てきました。

この血涙血汗が出る現象は子供にはあるということで、恐怖のあまり血管が収縮して血が出るようなのです。本当に驚きましたし、上品の懺悔そのものだなと思ったわけです。

お釈迦様時代は、お釈迦様のお弟子である比丘や比丘尼は、二週に一度集まって自らの罪を告白して懺悔を行いました。これを布薩といいます。私たちは自分の悪に対しての懺悔もままなりません。先生はよく仰ったことがありました。公衆や先生の前で懺悔できないようだったら、阿弥陀さんの前で懺悔しなきゃいかんぞと。仏さまや僧物を粗末にしたり、皆に迷惑をかけるような悪をしたときは阿弥陀さんの前で懺悔する習慣を身に着けるべきだと思います。

追加ですが、先ほど法友から、瑞剱先生は、血涙血汗は本当にあることだと教えておられると教えてもらいました。