仏教教義

忽然念起

以前いたところで、この言葉は無明の異称だと教えていました。これは、大乗起信論の中で説かれる言葉でして、我々は本来仏であるのに、客塵煩悩に覆われてしまって迷っているのだと教えますが、その客塵煩悩がいつ起こったかというのを忽然として念が起こっ…

倶舎論(1)

今、倶舎論の勉強を初めています。以前世間品から勉強して、8品まで勉強しましたが、最初の1章、2章が勉強できていなかったので再度勉強しなおしております。 倶舎論には大乗仏教に通じる内容も出てくるので、とても勉強していて面白いです。ここでは、講義…

龍樹、空の論理と菩薩の道 (4)

不生不滅・不常不断・不一不異・不来不去の八不中道、または不生の縁起についてですが、これには枕詞が省略されています。 それを瓜生津龍真さんは、94ページに 生滅を離れている、すなわちものは実体として生ずるのでも滅するのでもない、という次第をもっ…

龍樹、空の論理と菩薩の道 (3)

P73の⑤のバイダルヤ論の説明で、ニヤーヤ学派は、本書の冒頭に列挙される十六の範疇をもって、その体系を総括する。『ニヤーヤ・スートラ(正理経)』第1章は十六範疇の説明である。ナーガルジュナはこれらの範疇を、ニヤーヤ学派の定義をかなり引用しながら…

龍樹、空の論理と菩薩の道 (2)

P31に、浄土の黄金の表現はクシャーナ王朝時代にローマから大量の金が入ってきたことが影響しているという説明があります。 これは藤田宏達氏の薫陶を受けたのではないかと疑われる記述ですね。藤田宏達氏は浄土信仰を土着信仰などに起源を探そうといろいろ…

龍樹、空の論理と菩薩の道 (1)

最近、瓜生津輶真さんが亡くなられたことを聞きました。瓜生津輶真さんは、法城寺の住職さんだった方で、瑞剱先生とご縁のある方でした。瓜生津隆英和上の百回忌の際に、お話を聞くことができました。龍樹菩薩の文献などいわゆる中観学の研究で大変権威のあ…

蒔いた種は時間と共に大きくなっている

善因楽果、悪因苦果 これが仏教で説くところの因果の道理です。蒔いた種が生えるには、時間がかかりなかなか結果が出ないというときには蒔いた種は消えていくのではなく「大きくなっているんだ」という説明がありました。 育つというのが怖いですね。時効と…