龍樹、空の論理と菩薩の道 (3)

P73の⑤のバイダルヤ論の説明で、

ニヤーヤ学派は、本書の冒頭に列挙される十六の範疇をもって、その体系を総括する。『ニヤーヤ・スートラ(正理経)』第1章は十六範疇の説明である。ナーガルジュナはこれらの範疇を、ニヤーヤ学派の定義をかなり引用しながら、いちいち批判している。また、その議論の仕方は、『ニヤーヤ・スートラ』第5章にある論議法を逆用したあとが見られる。本書はナーガルジュナの空の論理が、ニヤーヤ学派のいわゆる詭弁や誤難を逆用することによって成立してきたことを示唆している。

とあるのは、前書いた当時の論理学を龍樹菩薩が批判し、龍樹菩薩は帰謬論法を使ったということを言ったものです。