蒔いた種は時間と共に大きくなっている

善因楽果、悪因苦果

 これが仏教で説くところの因果の道理です。蒔いた種が生えるには、時間がかかりなかなか結果が出ないというときには蒔いた種は消えていくのではなく「大きくなっているんだ」という説明がありました。
育つというのが怖いですね。時効という考えはないのですね。

 それと過去に行った一つの行為で未来が決定するという考え方は正しくありません。お釈迦様はその考え方を嫌ったといいます。ジャイナ教がそういう考え方だったようです。それだと悪を犯したものは解脱できなくなってしまいます。

 アングリマーラという人がお釈迦様に帰依されたときに、最終的に阿羅漢となるのですが、その途中で行乞に行くと、人から石を投げられるなどしたそうです。その時、お釈迦様は、「アングリマーラよ、今お前は罪を滅ぼしているのだから」と仰ったといいます。