現代仏教が問題視している思想

 仏教について、現代仏教学(日本および西洋)が問題視している思想は次の通りであります。
これは学者の問題でもありますが、仏教での勉強において多少なりとも影響があるため、ここに列記しておきます。特に息子にはこの三つの点に注意深く研究すべきこと、学者の言葉をそのまま信ずべきでないことを明記しておきます。

① 輪廻思想
② 神通力
③ 如来蔵思想

 特に現在の学者には①,②は後世の迷信と決めつけ、③をアートマン思想の混入などとして仏説でないとしていますね。

 上の②はさほど難しい問題ではありません。現在は科学至上主義のために科学的でない思想を迷信としているためです。ただし、①③は少し厄介で、これを明確に答えるためには、仏教の深い勉強が必要になると思います。これなどは、チベット仏教では深い考察がなされています。次に考えていきたいと思います。ちなみに、木村 泰賢さんはこれについてしっかりした説明をされようとしたみたいですが、途中で亡くなれたようです。この方が長寿を全うしていたら、日本仏教界も変わっていたかもしれません。

 このような考えのもとでは解脱は到底おぼつかないのです。なぜなら、

①を否定することは後生の否定になり、大乗仏教の目的すら成り立たなくなり、後生の解決どころではなくなります。
②を否定することは、阿弥陀如来の威神功徳も否定につながります。何故なら、如来の十力を否定することになるからです。
③を否定することは、日本仏教を全て否定することにつながります。何故なら、日本仏教は聖徳太子が講義したという三経に代表されるように、全て如来蔵思想だからです。

 ということで、このようなことを無遠慮に語っている仏法学者や御坊さんには近づくべきではありません。

 大乗非仏説は、今はある意味落ち着いています。どうしてかというと、原始仏教といえどもお釈迦様の生きているときにつくられたお経は一つもありません。そういう意味では同じ一線上と言えるからです。また、大乗仏教の起源で仏塔説がありましたが、これは今は信じられておりません。歴史的に証明されなかったというのが理由です。