功徳ということ

 チベット仏教の先生から講義を聞いていたときの話ですが、チベットの医者は風邪などの病気の治療に「五体投地」を勧めるという話をしておりました。

 私はこれを聞いて「運動するから体にいいのかなぁ」と思ってしまいましたが、そうではない「功徳」があるために、病気が治るのだというのです。

 このような話は中国の治療をされている方もよくなされます。

 先生も、一度中国の深圳に治療に行かれたことがありますが、その時「親不孝」しているから、こんな病気になるんだと言われたそうです。そんな話をしてくださいました。その時、先生でもそんなことを言われるのかと思ったものでした。

 私などは、日本仏教に慣れてしまっているため、チベット仏教で教えるこの五体投地の礼拝がよくできません。なんか、気持ちが悪いんですね。習慣のせいなのか功徳がないのか分かりませんが、よくできないですね。

 中国や香港などでは、説法道場には正方形で箱型の座布団のようなものが置いてあるので、ここに皆座って話を聞くのかと思ったりしましたが、それは礼拝時に頭をそこに深々とつけるためにあるものでした。中国のお寺にもそういうものが置いてありました。参詣者用です。

 このように深々とした礼拝というのが、インド・中国にはあるのですが、日本では禅宗真言宗などに限定して伝わっている状況です。(指摘を受けて修正)

 そういえば、思い出しました。天台宗は作法などがインド由来ではなかったですね・・・。五体投地をされないのは、そのせいかもしれませんね。天台宗の系統には五体投地がないのかもしれません。少し調べてみます。